リハビリテーションセンター
塩原温泉病院のリハビリテーション
平成13年に栃木県で最初に回復期リハビリテーション病棟を立ち上げ、現在、90名を超えるスタッフが在籍しており、北関東最大規模のリハビリテーション専門病院です。365日休まず、多いときは1日最大3時間マンツーマンでのリハビリテーションを提供しています。
当院では「日常生活の中で、自分で出来ることを増やす」を目標に掲げ、身体機能の回復のためのリハビリテーションから、実際の生活場面を想定したADL(日常生活動作)練習を行います。退院前には、退院後のサービス担当者との拡大カンファレンス、ご家族の方へ在宅生活を送る上でのアドバイス等を行う家族指導、家族教室、更には患者さんとともに自宅に行き、実際の動きの確認や住宅改修の提案を行う家屋調査などを実施しています。通常のリハビリテーションだけでなく、入院患者さんの個々の状態に合わせ、様々な取り組みを行っています。
また当院は全国からスタッフを募集しております。在籍スタッフの出身地も北は青森、南は長崎まで全国さまざまです。臨床経験10年以上のスタッフも多く、マンツーマンでのプリセプターシップをベースに、各種勉強会の開催など、教育体制の強化にも力を入れています。さらに県北総合リハビリテーションセンターとして、積極的に臨床研究も行っており、長年培われた臨床経験と研究の成果から得られた知見を基に入院でのリハビリテーションを推進しています。
理学療法 Physical Therapy
【理学療法とは】
病気や怪我などによって失われた身体機能の回復に合わせて、自立した生活を送る上での基盤となる、寝返る・起き上がる・座る・立ち上がる・歩くといった基本動作の獲得を目指します。また、退院後に安心して生活を送って頂けるよう、福祉用具の選定や家屋環境のご相談、ご家族の方への介助方法の指導なども行っています。
【身体機能回復に向けて】
痛みの改善や柔軟性獲得のための徒手療法、筋力・持久力強化を目的とした運動療法、実際の動作獲得を目指す動作練習など、様々な知識や技術を用いてリハビリテーションを実施します。
各病棟10名程のスタッフでチームを組み、担当スタッフだけでなく、チーム全体で各々の患者さんに合ったリハビリテーションを提供できるよう取り組んでいます。
【日常生活動作自立に向けて】
どのようにすれば自分自身で行えるのか、楽に動作が実施できるのか、担当スタッフだけでなく、看護師や介護士の意見も参考に、ご本人と話し合いながら練習しています。
【退院に向けた支援】
退院後も安心して生活が送れるように、実際の動作をご家族の方に見て頂き、介助が必要な動作があれば介助方法の指導を行います。
*理学療法部門での年間勉強会スケジュール(例)
4月 | 呼吸について | 8月 | 腰痛に対するスクリーニング | 12月 | 家屋調査報告会 |
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5月 | 肩関節への理学療法 | 9月 | 肋骨モビライゼーション | 1月 | 運動学習 |
6月 | 運動連鎖 | 10月 | ケーススタディ | 2月 | シーティング |
7月 | 切断の理学療法 | 11月 | 早期離床のアセスメントとリスク管理 | 3月 | ケーススタディ |
作業療法 Occupational Therapy
【作業療法とは】
作業とは「意味と目的のある活動」です。作業には、食べること、寝ること、働くこと、楽しむことなど、普段の生活における何気ない動作がたくさん含まれています。作業の在り方は人それぞれですが、人は作業をすることで毎日の生活が成り立っています。生活から作業がなくなると、無目的に過ごすだけといった生きる醍醐味を見失ってしまうような状況に陥ります。
作業療法では、病気や事故などによって失われた機能の回復だけでなく、ご本人が「やりたい」「やる必要がある」あるいはご家族が「やってもらいたい」と思われる作業を出来るようにご本人・ご家族と一緒に考え、支援しています。
【身体機能回復に向けて】
様々な物品や道具を用いて、生活に必要な手の筋力や能力の改善を図ります。
【精神・認知・高次脳機能向上に向けて】
作業活動を通じて、「やる気」を高めたり、「交流の場」を設けたりします。また、一日の時間の管理、場所の把握、物品の管理といった、生活に必要な高次脳機能への改善も図ります。
【日常生活動作獲得に向けて】
日常生活動作とは、生活の中で行う、食事・整容・トイレ・着替え・入浴などの身辺動作の事です。怪我や病気、加齢など様々な理由により、身辺動作が困難となる場合があります。そのため動作指導や練習、環境設定、道具の選定などを行ない、動作が行えるように支援します。
【日常生活関連動作獲得に向けて】
日常生活関連動作とは、調理や洗濯などの家事動作、買い物、健康管理、移動手段の確保など生活に必要な動作の事です。動作指導や練習、道具の選定などを行い、再び動作が行えるように支援します。
【自助具】
自助具とは病気や怪我などで日常生活動作が困難となった際に、日常生活をより快適に送るために、特別に工夫された道具の事です。
【退院に向けた支援~家屋調査~】
家屋には玄関、お風呂、部屋へ出入りをする際に段差があります。ご自宅でも安全に生活できるよう、手すりの取り付けや段差解消の助言、必要に応じて補助具(歩行器、シャワーチェアなど)の提案を行います。また、担当ケアマネージャーと退院後のサービス利用の検討を行い、在宅生活、社会生活に向けての準備を行います。
*作業療法部門での年間勉強会スケジュール(例)
4月 | クリニカルリーズニング(基礎) | 8月 | ケーススタディ | 12月 | 地域包括ケア |
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5月 | 電気刺激:IVES (基礎) |
9月 | クリニカルリーズニング(応用) | 1月 | ケーススタディ |
6月 | スプリント(基礎編) | 10月 | 手の整形外科 | 2月 | スプリント(応用) |
7月 | 肩・肘・手の機能解剖 | 11月 | リハビリテーション栄養 | 3月 | 電気刺激:IVES (応用) |
言語療法 Speech Therapy
【言語聴覚療法とは】
話の内容が理解できない、言いたい事を上手く伝えることができない失語症や、呂律がまわらない、言葉がはっきり話せない構音障害、また交通事故や病気によって、意欲がなくなる、集中が続かない、忘れやすいなどの高次脳機能障害、声や耳が聞こえにくいなどの聴覚障害、加齢や病気などにより、食べ物が上手く飲めない、ムセるなど、飲み込みの機能が低下した方々に対して、リハビリテーションを行います。
【コミュニケーション能力獲得に向けて】
様々な症状に合わせ、物の名前を言う、字を書くなどの練習を行います。口や舌の運動、声を出す練習、発音の練習を実施しています。また、50音表や絵や文字を示したノートを使用する練習も行っています。
【高次脳機能障害改善に向けて】
様々な症状に合わせ、机上での課題を行い、今後の生活(退院後にどのようなことが必要か、仕事をするのかなど)を見据え、ご本人やご家族、他職種と話し合いながら、実用的な動作練習(メモを取る、書類を作成する)、外出練習(バスに乗って買い物に行く)や復職に向けた指導を行います。
【飲み込みの機能改善に向けて】
当院では安全に食事をして頂くために、入院初日に飲み込みの機能を確認し、食事の形態を決定します。飲み込みの力が低下している方に対して、口の体操、喉のアイスマッサージ、喉の筋力を鍛える練習を行っています。
【退院に向けた支援】
退院に向けて食事を摂る際の注意点をご本人、ご家族に対し説明しています。
*言語聴覚療法部門での年間勉強会スケジュール(例)
4月 |
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8月 |
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12月 |
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5月 |
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9月 |
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1月 |
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6月 |
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10月 |
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2月 |
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7月 |
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11月 |
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3月 |
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