2020年度公益財団JKAによる補助事業の実施について
補助事業名:効果的なリハビリテーションの実現に向けた訓練プログラムの評価
1. 補助事業の概要
(1) 事業の目的
当会は、公益財団法人JKAの補助を受け近赤外分光法や筋電計を用いてリハビリテーションの訓練効果を測定し訓練プログラムの妥当性を評価及び発表する事業を2020年度に実施する予定でした。
しかしながら、新型コロナ感染症拡大により、病院の一部を発熱等同感染症が疑われる患者さんの診療に利用せざるを得ない状況になりました。また、感染拡大防止対策として従来行っていた院内リハビリ訓練室においてリハビリプログラムに応じて患者さんが移動する方法から、クラスター防止の為入院病棟毎に訓練スペースを分けて厳格にゾーニングしてリハビリを実施する方法に変更しました。その結果、外来診療、外来リハビリ訓練の制限やリハビリ機器不足の中でリハビリを提供するなど訓練の効率性低下、行動制限など患者さんに不利益が発生する状況となりました。
そこで、ウィズコロナの時代においても効果的なリハビリテーションが実現できるよう事業計画を変更し、新型コロナ感染症早期発見によるクラスター防止のための仮設検査室やゾーニングにより利用不可となったリハビリ機器の設置を実施しました。
本事業の実施により感染対策を実施しつつ療養環境を整備することで新型コロナ感染症発生前のリハビリ提供環境に近づけることができるとともに患者さんの入院生活を改善させることができました。
(2) 実施内容
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発熱患者用仮設検査室の設置
モバイルクリニック一式 -
感染対策の為のリハビリ機器の設置
WAIS‐Ⅳコンプリートセット(知能検査セット)1式、長下肢装具靴型左右SMサイズ、歩行補助車ラビット4台、ポータブルエルゴメーター1台、エルゴメーター2台、ワットバイク1台、フィジオアクティブ1台、トリートメントテーブル1台、アダプターテーブル1台、移動式手すり2台、練習用腰掛3台、電気刺激治療装置1台、車椅子(標準型)20台、車椅子(6輪型)10台、HAL医療用単関節タイプ1式
仮設検査室の設置
感染対策を実施した上でのリハビリ風景
(理学療法)
感染対策を実施した上でのリハビリ風景
(作業療法)
感染対策を実施した上でのリハビリ風景
(言語聴覚療法)
2. 予想される事業実施効果
入院患者数も多く、先駆的なリハビリを実施している当会リハビリテーションセンターがこの事業の情報を発信することで、コロナ禍のリハビリその後のウィズコロナ時代のリハビリ発展に寄与できるものと考えております。
3. 補助事業に係る成果物
(1)
本事業は令和3年3月18日に完了し、令和3年度に入院した延べ70,706名の患者さんに利用されました。その内、集中的にリハビリテーションを実施する回復期リハビリテーション病棟に入院した患者さんは50,005名です。また、同病棟を退院した患者さんの日常生活動作回復割合を示す実績指数は33.4でした。
(2)
塩原温泉病院だよりにおいてもこちらの事業について掲載しております。詳しくはこちらをクリックしてください。
http://www.shiobara-hp.jp/doc/08001.html
4. 事業内容についての問い合わせ先
担当部署: 栃木県医師会塩原温泉病院事務部
担当者名: 経理課長 山口 国明 (ヤマグチ クニアキ)
電話番号: 0287-32-4111
F A X: 0287-32-4226