病院コラムのご案内
私の健康法
健康とは何かと問われた時、又病気とはどういうものかと考えた時、正確に答えられる人はあまりいないと思います。私はもちろんできません。ただ私は健康とはWHO(世界保健機構)の定義では単に病気でないだけでなく、精神的、社会的、経済的に安定した状態とあります。こんな人はいるはずがありません、というわけで、これは象徴的なものだと思います。ただ私は体に持病がある人の健康状態はどうなのか、というわけで、健康は人それぞれ、子供は遊びに行ける状態、学生は勉強できる状態、成人は仕事が努められる状態を健康と考えないとこれを書きようがありません。又、病気とはどういうものかこれも医学書を調べると余計に分らなくなる。字の解釈通りと私は思います。病は不快なという意味で、気は状態の意味で、不快な状態、即ち病気である。これは英語でもdisease=dis(奪う)ease(安らぎ)→安らぎを奪う、即ち不快な状態で、ドイツ語も、 krankheit=krank(不快な)heit(状態)、フランス語でもmaladie=mal(不快)、adie(状態)で皆同じ意味であります。
だから健康法は仕事をできる状態を長く続くようにすることと病気にならないことです。即ち自分を不快な状態にしないことだと思います。ゲーテの詩に"世の中で大抵の事は我慢できるが、平穏日々の連続だけは我慢できない"というものがあります。誰しもこのような気持ちを持ったことのない人はいないと思います。健康も余計なことをしないで平穏無事の連続にしていれば簡単であります。しかし、残念ながらゲーテ程ではないにしても、多かれ少なかれ、平穏無事は絶えられないことは誰でもあると思いますので、私はどうして我慢して平穏無事な人生を現在まで送ってこれたか、又、どんな事を考えてできるだけ仕事を出来る状態を長く続けてきたか、どうして不快な状態にならないように気を付けてきたかについて書いてみたいと思います。
もともと私は体が丈夫だと思っております。これはただ思っているだけなので本当に丈夫かどうかはもう少し経過を見ないと(もう少し年を取らないと)分からないと思います。私個人は自由自在に出来るだけ自由にやってきたつもりであります。ただ食物は他人が食べられるものは何でも食べられると思い、最近は少し好みがありますが、何でも食べてきたつもりであります。栄養・カロリー等考えたことはありません。最近は腹八分目を実践しているつもりですが、アルコール分を摂取する機会が多いので、なかなか痩せません。しかし、検査データはγ-GTP(アルコール飲みすぎによる)以外は全て正常です。また、運動は若い頃は他人が疲れた時に、私もそこで疲れた感じがしたら気を付けて普通の生活をしていたぐらいで、普通の人達がする事は何をしても大丈夫でした。しかし、最近は太り気味で肥満指数は体重(kg)÷身長(m)2=24 ±2が正常で27以上が病的肥満と言われていますが、私は肥満(最高)と病的肥満とどちらかと言うとボーダーラインです。だから27±0.5位であります。ただ、私の持論は検査データが正常で、心肺機能、運動能力が正常なら、健康上は体型は問題ないと思っております。(かっこいい方がいいですが)というわけで、現在は余り太らないよう気を付けております。また、運動能力も私の年齢にすれば比較的ある方と思っております。今年も尾瀬の至仏山に登るつもりであります。と言う訳で健康法等はお金の残し方と同じで上手い方法はありません。巷間言われている健康法は実行不可能なことばかりで全く当てになりません。それぞれの人は自分の体の状態の許容範囲で生活する事が健康法であります。最後に自分で自分の健康法を作るためのヒントを書いてこれを終わりたいと思います。
食事については過ぎたるは及ばざるより悪しを守る事であります。だから現在我々が食べている物が、大昔から食べている物で、食物のない時にはこれが良い、これが悪いと選ぶ事が出来なかった。現在我々が背負って問題となっている病気生活習慣病は全て過食に原因があると言っても過言ではありません。現代人を一番悩ましている癌も専門家200人による近未来予測では、2014年には発生のメカニズムが解明され、 2020年には全ての癌の5年生存率が80%を超えると出ております。また、嗜好品、酒・タバコについては飲まないのに超した事はありませんが、アルコールの場合平均的に1時間で5cc分解されると言われております。1 日24時間で分解されない程飲まなければ健康を守れる。そして、週1回から2回飲まない日をつくる方が良いかと思います。タバコは良いところがないから止めるに超したことはありません。(私はタバコは吸ったことがありません。)どうしても止められない方はこうすればいいとは、私の立場として書けませんので、ニコチンパッチ等いろいろタバコを止める方法は模索されていますので是非健康のために止めてください。運動は気晴らしのためにやるのは良いですが、健康維持増進のためには歩くのが一番です。運動は大抵の人は余計にやり過ぎる傾向があります。やり過ぎは寿命を縮めるだけです。これは、東京オリンピック出場選手のフォローアップ、その後の経過観察の結果があまりにその内容が悪くて発表できないでいることを見ればわかります。多分、統計を取ればプロスポーツ選手は一般の人より短命かと思います。最後になりましたが、ボケの予防には体を動かすことが一番です。脳の刺激には体を動かすことが一番の刺激になります。又、若い頃運動しなかった人と運動した人の年をとってからのボケる確率は、運動した人はしなかった人の6分の1だと、神経内科の先生が言っておりました。今からでも遅くはありません。毎日1万歩、歩きましょう。